街にそびえるタワーマンション。あこがれる方も多いのではないでしょうか。
しかしこのタワーマンション、管理費や修繕費が高い!景色はすぐ飽きるし充実した設備は使わない!ということで後悔する人が結構います。
営業をかける時は、もちろん管理費や修繕費が高いことはことさらには強調しませんし、普通のマンションよりも少し高くても、素晴らしい景色や充実した共用設備があることをアピールして販売につなげます。
このページでは、実際の営業ではとても話すことができない、タワーマンションの管理費、修繕費で後悔したという話をいくつか紹介します。
管理費・修繕費とは
まずは、マンションの管理費と修繕費の定義、違いを説明します。
そんなことは知っているよ。という方は、読み飛ばしてください。
管理費とは、共用部分の維持管理費(清掃、電気代、日常的なメンテナンス費用)、管理人、警備員、その他スタッフの人件費、共用部分の火災保険、損害保険料などが含まれます。
修繕費とは、数年~数十年単位で計画的に実施する修繕工事に使うためのお金です。修繕積立金とも言われます。
数十年に一度の建物の大規模修繕や、エレベーター、機械式駐車場の大規模なメンテナンス費用などが修繕費から支出されます。
ちょっとした修繕や定期的なメンテナンス費用などは、管理費の方から支出されます。
これら管理費や修繕費は、あくまでも共用部分に対して使われるもので、個々の部屋(専有部分)の修繕費用などは、各自で負担する必要があります。
一般的なマンションの管理費・修繕費の相場
20階建て以下のマンションの1平米あたりの管理費は、150円前後が相場です。
修繕費は、100円前後が相場です。
70平米程度の広さであれば、管理費と修繕費をあわせて2万円台というところが多くなっています。
タワーマンションの管理費・修繕費の相場
20階建て以上のタワーマンションの1平米あたりの管理費は、250円前後が相場です。
修繕費は、200円前後が相場です。
70平米程度の広さであれば、管理費と修繕費を合わせて4万円程度というところが多くなっています。
マンションの管理費・修繕費は、一般的に20階建てまではスケールメリットが働いて一戸あたりの負担額は少なくなる傾向にあるのですが、20階建て以上のタワーマンションでは逆に高くなってしまいます。(特に30階建て以上になると更に高くなります)
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タワーマンションの管理費・修繕費が高い理由
さて、20階建て以上のタワーマンションは管理費、修繕費が高くなってしまうということを紹介しました。
どうしてタワーマンションは、管理費や修繕費が高くなってしまうのでしょうか。その理由を紹介します。
エレベーターが多い
タワーマンションは、一般的なマンションよりもエレベーターが多く、なおかつ高速エレベーター、群管理システムなど、普通のエレベーターよりも高度で最新なシステムが採用されています。
一般的に、高層になればなるほど、エレベーター移動の効率が悪くなってしまいます。
低層用エレベーター、高層用エレベーターなどに分けられていたり、群管理システムが採用されているなど、効率よくエレベーターを運用するための工夫はなされているものの、戸数あたりのエレベーターの数は低層マンションよりも多く必要です。
そのため、エレベーターの維持管理費が低層マンションよりも多くかかってしまいます。
共用設備が充実している
タワーマンションは、一般的なマンションに比べて、共用設備が充実しています。
豪華なエントランスに展望台やラウンジがついていたり、フィットネスジム、パーティールームやキッズルームなどが備えられているところも多いですよね。
また、ゴミ出しも各階からできるように各階にゴミステーションが設置されていたり、防災センターの設置も義務付けられています。
こういった一般的なマンションにはない共用設備を維持管理していくために、管理費が高くなってしまいます。
人件費がかかる
タワーマンションでは、エントランスにコンシェルジュがいたり、警備員がいたり、ゴミを回収するスタッフがいたり、一般的なマンションよりも人件費が多くかかってきてしまいます。
この人件費は管理費から支出するので、タワーマンションは管理費が高くなってしまいます。
メンテナンスに手間がかかる
タワーマンションは高層なため、普通のマンションなら足場を組んで修繕工事をすることができるところ、ゴンドラを使わないといけないなど、メンテナンス、修繕に特殊な手法をつかわなければなりません。
また、一般的なマンションよりもデザインに凝った作りのものも多いので、そういった部分でも修繕費が高くなってきてしまいます。
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駐車場代も高い
一般的にタワーマンションは、都心に近いところ、駅チカに建設されることが多いです。
そうなってくると、必然的に駐車場代が高くなってきてしまいます。
特に首都圏のタワーマンションだと、月々4~5万円するようなところもめずらしくありません。
車を持たなくとも生活ができるような便利な立地にあることが魅力のタワーマンションではありますが、いざ車を持とうとなると、駐車場代が高すぎてとても持てない。ということも考えられます。
将来の家族計画、子供ができたときの習い事の送り迎えなども車なしで不便なくできるのか。そういったところも考えて検討したいですね。
固定資産税にも注意
平成29年4月以降に売買契約が締結されるタワーマンションでは、高層階と低層階で固定資産税に差がつけられているので、高層階の購入を検討している方は、固定資産税にも注意が必要です。
例えば、これまで固定資産税が年間20万円の部屋だった場合、25階建てのタワーマンションなら、25階だと205,970円、1階だと194,030円と、1万円ほど違ってきます。
年間でのことなのでそれほど大きな違いではありませんが、頭の片隅においておきましょう。
平成29年以前に建築された中古物件は対象外で、階数による違いはありません。
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近所付き合いのコスト
これは結構見落としがちな部分なのですが、近所付き合いなどで、周囲に生活水準を合わせることによる出費増が結構な負担になってきます。
タワーマンションを購入するご家族は比較的裕福な方が多いので、質の良い服、ブランド品を身につける傾向にあります。
また、一緒にランチに行きましょう。という時も、少しお高めの、ランチで2,000円!?みたいなところに行く流れになってしまうことも多くなってしまいます。
さらには、タワーマンションを購入する層は、ベンツ、BMW、レクサスといった高級車に乗っている率が高いです。
周りの車を見て、自分も高い車に乗りたい。と言い出してさらにローンが加わってしまった。という話も結構聞きます。
もちろんこれは必須ではないので、必ずしもかかってくるものではありませんが、やはり周りが綺麗な格好をしているのに自分だけみすぼらしい格好をするわけにもいかず、衣服費、食事の付き合いなどによる出費増もある程度頭に入れておいたほうが良いかと思います。
タワーマンション購入者の実例
タワーマンションを購入して、管理費・修繕費をはじめとしたコストが高いことを後悔した実例を、2つほど紹介します。
その1、知人の例
人気の豊洲のタワーマンションを購入した知人の例を紹介します。
知人は32歳で、70平米ほどの32階の部屋を購入しています。
世帯年収は1000万円ほどであり、一般的にはタワーマンションも無理なく購入することができる年収ですね。
もちろんローンの審査もすんなり通り、支払いも無理なくこなしていたようです。
毎月かかる管理費・修繕費は約45,000円ほどと、一般的な70平米のタワーマンション
この知人の場合は、管理費・修繕費が高いと感じた以外にも、高層階に住んでいることで、エントランスまでの移動が億劫になってしまったということも理由だと言っていました。
タワーマンションの高層階は、景色は綺麗ですし、優越感も感じることができますが、飽きてしまうと下に降りるまでが不便なだけになってしまうんですね。
幸い、マンションの相場が上がっていることもあり、知人は購入価格以上で売却をすることができています。
その2、お客様の例
次に、私が担当したお客様の例を紹介します。
そのお客様はタワーマンションの高層階に住むことにあこがれており、5000万円程度の部屋をご検討されておりました。
世帯年収は800万円ほどだったので、ちょっと背伸びをした感じではありますが、旦那さまが主体となって稼いでおり、子供ができても支払いが滞ることはなさそうな感じのお客様です。
無事ローンの審査も通り、ご契約いただきました。
ご購入後しばらくしてからお話をする機会があったのですが、毎月4万円を超える管理費、修繕費の負担や、周りの目を気にして少し高い服を買うようになってしまい、ローンの支払いがちょっと苦しいとのこと。
購入前に、生活水準が上がることによるコスト増についても教えてほしかった。と言われてしまいました。
まあそこは不動産営業なので許してください^^;
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タワマンの管理費、修繕費は、今後も上がる見込み
人件費、光熱費、様々なモノの値上がりによって、管理費や、修繕費は今後も上がる見込みとなっています。
管理人やコンシェルジュが常駐していたり、共有設備が充実しているタワマンでは、人件費や光熱費の値上がりは、直接管理費の値上がりにつながります。
また、修繕積立金は、昨今の物価高が始まる前から、長い目で見ると不足気味の金額しか積み立てられていない物件が多いです。
築10年~20年のタワマンの修繕積立金も上がる例が結構出てきています。
タワマンを購入する方は、それなりに余裕のある方が多いでしょうが、将来的な管理費、修繕積立金の値上がりも想定しておくことをおすすめします。
管理費、修繕費は、払えないでは済まされない
マンションの管理費、修繕費が払えないと、最終的には、部屋が競売にかけられてしまい、住むことができなくなってしまいます。
家賃や住宅ローンと同じく、払えないでは済まされないもので、なおかつ途中から上がることが多いものなので、管理費、修繕費が少し上がっても大丈夫なよう、余裕を持っておきましょう。
まとめ
タワーマンションは購入時の金額も高いのですが、管理費、修繕費、駐車場代、固定資産税など、あらゆるものが一般的なマンションよりも高い傾向にあります。
購入したあと、ローンに加えてこれらの支払いが加わってくるので、十分に払っていくことができるのかどうか、じっくりと考えましょう。
タワーマンションには、管理費、修繕費が高いということ以外にも色々なデメリットがあります。
タワーマンションのメリット、デメリットに関しては、こちらの記事で詳しく紹介しています。
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