防音性能に優れた鉄筋コンクリートのマンションでも、うるさいと、騒音トラブルが発生することはあります。
このページでは、鉄筋コンクリートなのに、うるさいと思うのはなぜなのか。どういった音で騒音トラブルになりやすいのか、注意点を紹介します。
鉄筋コンクリートでも響きやすい音
鉄筋コンクリートで響きやすい音は、直接床や壁に伝わる振動です。
最も代表的な例は、足音です。この他、洗濯機の音、掃除機の音などがあります。
また、直接床や壁にぶつかる音でなくとも、比較的低い音、重低音の音楽などは、鉄筋コンクリートでも響きやすいです。
重くて密度の高い鉄筋コンクリートは、ある程度の音は反響、吸収してしまいますが、上記のような音は響きやすいので、注意しましょう。
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鉄筋コンクリートなのに、うるさいと思う音
足音がうるさい
鉄筋コンクリートなのに、うるさい。と騒音トラブルになる一番多い音が、足音です。
かかとから落として歩く歩き方だと、鉄筋コンクリートでもドスドスと響きます。
特に、子供がドタバタと走り回る音はとても響きますから、鉄筋コンクリートでも足音はある程度聞こえるという覚悟が必要ですし、ドスドスという歩き方をしないように、注意しましょう。
音楽がうるさい
重低音の効いた音楽は、鉄筋コンクリートであったとしても響きます。
鉄筋コンクリートだから大丈夫だろう。と大音量で音楽を聞いていると、騒音トラブルの原因になりかねませんから、注意しましょう。
胸に響くような重低音でなければ、それほど響きません。
排水音がうるさい
賃貸物件では、排水管の防音処理がそれほど厳重にはなされていない物件が多いので、風呂を流す音や、トイレを流す音が聞こえることがあります。
(トイレを流す音と言っても、ジャー。という音がそのまま聞こえるのではなく、排水管を水が通るゴーッという音です)
木造アパートだと、ジャー。という音が聞こえることもあるので、木造に比べれば全然マシではあるのですが、うるさいと感じることもあります。
下の階の音、隣の部屋の音が聞こえる
鉄筋コンクリートの物件でうるさいと感じる音で一番多いのは、上の部屋の足音ですが、下の階の音や、隣の部屋の音、さらに離れた部屋の音が聞こえることもあります。
コンクリートに伝わった音の振動は、結構離れたところまで響きます。
上の階だと思ったら、下の階だった。とか、斜め下だった。という例も、めずらしくありません。
話し声、くしゃみが聞こえる
たまに、鉄筋コンクリートなのに、話し声、くしゃみが聞こえる。というクレームが入ることがあります。
くしゃみが聞こえるというのは、隣の部屋との間の壁(戸境壁)は、コンクリートではない場合が多いです。
戸境壁がコンクリートでできているかどうかを確認する方法は、後の項目で紹介します。
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鉄筋コンクリートでも、騒音トラブルはある
ここまで紹介したように、鉄筋コンクリートのマンションであったとしても、うるさい。と思う音は色々とあり、騒音トラブルになることはあります。
ですから、鉄筋コンクリートだからといって期待のし過ぎはいけませんし、油断して大きな音を出しすぎても行けません。
ただ、木造や軽量鉄骨のアパートに比べれば少ないことは事実ですし、静かさを重視する人は、鉄筋コンクリート造を強くおすすめします。
鉄筋コンクリート造の、騒音トラブルの実例
騒音トラブルの実例1:子供の足音がうるさすぎる
鉄筋コンクリートのマンションに引っ越したんですが、上の階に小学生の子供がいるようで、ドタバタ走り回ったり、飛び降りているようなドスン!というような音が毎日聞こえて、最悪です。
管理会社に苦情を言いましたが、改善される気配がありません。直接言いに行こうか迷っていますが、トラブルに発展しないかが心配で、悩んでいます。
騒音トラブルの実例2:洗濯機の音がうるさい
上の階の洗濯機が壊れているのか、脱水の時にガタガタと音が響いてきます。しかも、上の人は夜に洗濯機を回すことが多いので、眠れません。
せめて、洗濯機を直すか、洗濯機を回す時間を考えてもらいたいです。
騒音トラブルの実例3:テレビの音がうるさい
鉄筋コンクリートなのに、隣の部屋のテレビの音が聞こえてきます。
鉄筋コンクリートなのにどうしてこんなにうるさいんだ。と思って壁を叩いてみたら、反対側の壁はゴツンとコンクリートが入っているような音がするのに、うるさい方の壁は板を叩いているような音がしました。
どうも、うるさい方の壁はコンクリートではなかったようです。
鉄筋コンクリートマンションなら、壁には鉄筋コンクリートが入っているとばかり思っていたのですが、そうとも限らないんですね。
鉄筋コンクリート造では、話し声やテレビの音、シャワーの音など、基本的な生活音による騒音トラブルは、少ないです。
また、足音や音楽に関するトラブルも、木造や鉄骨造に比べれば、少ないです。
ただ、音が伝播する距離が長いので、騒音源を特定しづらい。という特徴があります。
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鉄筋コンクリート賃貸の注意点
ワンルーム、1K、1DK、1LDKの物件の多くは、隣の部屋との間の壁(戸境壁)の片側、もしくは両側が、コンクリートになっていません。
鉄筋コンクリート造といっても、鉄筋コンクリートを入れるのは、建物の強度を確保するのに必要な間隔になります。
ですから、狭い部屋の場合は、2~3部屋ごとにしかコンクリートの壁が入っていないのが普通です。
40平米以下だと、どちらかの壁は、ほぼ100%コンクリートではありません。
40平米~60平米だと、建物によります。
60平米以上だと、両側の戸境壁がコンクリートになっていることが多いです。
ですから、40平米以下の物件、1LDK以下の間取りの物件は、鉄筋コンクリート造といっても、上下左右全てがコンクリートの壁に囲まれているわけではない。ということを知っておきましょう。
コンクリートではない壁に関しては、鉄筋コンクリートではないアパートと同程度の遮音性しかありませんから、コンクリートではない壁の向こうの住人がうるさければ、騒音に悩まされることになります。
できれば、上下左右全てにコンクリートが入っている部屋を探すのが理想なのですが、都市部での一人暮らしだと、家賃の面で難しいこともあるかと思います。
片方の壁がコンクリートではなかったとしても、上下左右全てにコンクリートが入っていない木造や鉄骨造に比べれば、騒音に悩まされる確率はグッと減るので、意味がないということはありません。
分譲マンションを購入する場合は、ほとんどの場合で図面を確認するでしょうから、戸境壁がコンクリートではない。ということに気づくことができるでしょう。
戸境壁がコンクリートかどうか、確認する方法
戸境壁がコンクリートかどうかで、防音性能は大きく変わってきます。
図面を見せてもらえるのであれば、図面を見て、壁の部分に斜線が3本引いてあれば、それはコンクリートです。
図面を見せてもらえない場合は、壁を軽く叩いてみればすぐに分かります。コンクリートの場合は、ゴツ。ゴツ。と、圧倒的な硬さを感じます。
壁を叩いてみても、二重壁になっている場合は、コンクリートではなく、板を叩いたような軽い音がします。
軽い音がしたからといって、必ずしもコンクリートが否定されるわけではないのが厄介なところです。
そんな時は、マンションの外壁を見てみましょう。
各部屋の間のベランダの仕切り板部分の外壁が凸型になっていれば、その部分の壁はコンクリートでできている可能性が高いです。
凸型になっている外壁が2部屋に1ヶ所ずつだと、凸型になっていない仕切り部分の壁は、コンクリートではない可能性が高いです。
ちなみに、図面を見て、隣の部屋との間の壁の部分に斜線が3本入っていると、壁がコンクリートでできている証拠です。
部屋の間取り図からも、推測することができます。
大きな四角形が書かれている部分の壁はコンクリートであり、そうでないところはコンクリートではないことが多いです。
たとえば、ワンルームマンションの間取りだと、このように二部屋がわけられている事が多いですが、この場合、真ん中の壁はコンクリートではありません。
まとめ
ここまで読んで、「なんだ、鉄筋コンクリートでもダメなんじゃん。」と思った人も、多いかもしれません。
ただ、鉄筋コンクリートのマンションは、木造や軽量鉄骨のアパートに比べると防音性は圧倒的に高く、騒音トラブルに悩まされる可能性を大きく下げる事ができます。
集合住宅ですから、最終的には運次第だと言ってしまえばそれまでですが、その確率を下げることは、とても意味のあることですから、音を気にする人は、鉄筋コンクリートの物件を選ぶようにしましょう。
引っ越す前の環境、隣人の調査も大切になってきます。
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