最近はめっきり少なくなりましたが、木製の浴槽を入れたい。という相談を時々受けます。
木製の浴槽といえば、旅館など特別な場所でしか楽しめない印象があるかもしれませんが、自宅に木製の浴槽を入れることもできるんです。
このページでは、木製の浴槽の特徴、メリット、デメリットなどを紹介します。
浴槽を木製にしようか迷っている人に読んでもらいたい記事です。
木製浴槽の種類
使用する木の種類
・檜(桧)
木製の浴槽で最もよく使われるのは、檜(ひのき)です。
檜は木目が均質で狂いが少ないため加工しやすく、水漏れをしてはいけない浴槽に適した素材です。
檜風呂の耐用年数は、7~10年程度となっています。
・槇(高野槇)
関西を中心に人気なのが、槇(まき)を使った木風呂です。
槇風呂は、檜風呂よりも価格が安く、カビが発生しにくく、耐久性が高いというメリットがあります。
槇風呂の耐用年数は、15~20年ほどと、ひのき風呂の倍くらいの耐久性があります。
・椹
椹(さわら)は、檜や槇よりも香りが弱いことが特徴です。
木独特のニオイが嫌いな方に選択されるものですが、最近はあえて木製の浴槽を選ぶ方は、木の香りを楽しみたいという方がほとんどなので、あまり使われることはありません。
浴槽の形
木製の浴槽の形は、大きく分けて「桶風呂」と「箱風呂」の2種類です。
丸い形をしたものが桶風呂で、四角いものが箱風呂です。
箱風呂の方がスペース効率が良いので、最近は箱風呂が主流となっています。
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木製浴槽のメリット
まずは、木製浴槽のメリットを紹介します。
メリット1:独特の香りを楽しむことができる
木には、プラスチックや金属にはない独特な香りやあたたかみがあります。
これは、量産されたユニットバスでは味わえないことです。
メリット2:リラックス効果がある
木材からは、殺菌力やリラックス効果のある揮発性物質を放出するという特徴があります。
この特徴を、「フィトンチッド」といいます。
森林浴でリフレッシュしたことがある方は多いかと思いますが、森林浴でリフレッシュすることができるのも、このフィトンチッドの効果です。
自然の素材ならではの効果ですね。
メリット3:和風の家のデザインにマッチする
木製の風呂といえば、旅館というイメージを持つのではないでしょうか。
あなたの家が和を大切にした家であれば、風呂を木製にすれば、より和の雰囲気を強くすることができます。
メリット4:経年劣化にも味がある
木製の風呂は、経年劣化して色合いが変わってきても、そのことに味を感じることができます。
今どきのユニットバスが経年劣化して変色しても、古臭さを感じるだけなので、これも自然の素材ならではです。
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木製浴槽のデメリット
次に、木製浴槽のデメリットを紹介します。
デメリット1:価格が高い
木製の浴槽は大量生産されておらず、ユニットバスに比べると、数十万円(50万円以上~)も高くなります。
オーダーメイドのものだと、100万円以上高くなることも珍しくありません。
デメリット2:掃除が大変
木製の浴槽は、毎日掃除、乾燥をしっかりしないと、すぐにカビが生えてしまいます。
ズボラだと、カビだけでなく、木材が腐食して大きな損傷の原因になってしまいます。
木製の浴槽は、プラスチックや金属の浴槽に比べると、掃除がかなり大変だという覚悟が必要です。
FRPや人工大理石の浴槽には、こすらずに洗い流すだけで風呂掃除が完了する洗剤などが出てきていますが、こういったものは木製の浴槽には使えません。
手入れを面倒に感じる人は、やめたほうがいいでしょう。
デメリット3:耐用年数が短い
木製の浴槽は、檜風呂で7年~10年程度、槇風呂で15年~20年程度と、一般的なユニットバスよりも短いです。
耐用年数が短い上に価格が高いので、木製の風呂を自宅に導入するには、金銭的な余裕が必要になってきます。
こういったデメリットがあるので、木製の浴槽は、比較的時間とお金に余裕のある方にしかおすすめできません。
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木製浴槽にした人の声
実際に、自宅に木製の浴槽を入れた人の声を紹介します。
木ならではのぬくもりに満足している人
ずっと木の風呂というものにあこがれていたのですが、大規模リフォームを機に、ついに木の風呂にすることができました。
プラスチックでは絶対に感じることができないぬくもり感じることができて、とても満足しています。
木の香りでリラックスできて満足している人
あこがれていた木製のお風呂を3年前に手に入れました。
3年経った今でも木の香りを感じることができて、毎日リラックスしています。
木の風呂にして本当によかったと思っています。
手入れが大変で後悔している人
両親が木製の風呂にして欲しいと強く望んでいて、そのための費用は出すということだったので、木製の風呂にしました。
ただ、想像していた以上に毎日の手入れが大変です。
両親は掃除は全然してくれないので、結局私の苦労が増えただけです。
両親は満足しているかもしれませんが、私は後悔しています。
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木製浴槽の手入れ、補修
木製浴槽は手入れや補修が大変だと心配している方も多いのではないでしょうか。
木製浴槽の手入れや補修について紹介します。
木製浴槽の毎日の手入れ
木製の浴槽は、毎日の手入れがとても大切です。
木製の浴槽に必要な手入れの手順をかんたんに紹介します。
1.浴槽の外側の石鹸カスをシャワーで洗い流す
2.浴槽のお湯を抜き、シャワーで洗い流す
3.浴槽に残った水垢や石鹸カスをタオルなどで拭き取る
4.しっかり乾燥させる
文字で書くと、普通の風呂掃除とあまり変わらないように見えますが、木製の浴槽は、硬いブラシなどで掃除することができません。
普通の浴槽だと、長い柄のついたブラシを使うことが多いと思うのですが、木製の浴槽の場合、腰をかがめてタオルなどを使って掃除する必要があります。これが結構大変です。
木製の浴槽は、日々の掃除と、乾燥がとても大切です。
特に、乾燥はとても大切です。木材は湿気に弱いということは、皆さんもなんとなくおわかりでしょう。
木製の浴槽を導入する方は、昔ながらの雰囲気を大切にする方が多いので、浴室乾燥機を設置したがらないことが多いのですが、自宅に木製の浴槽を入れるなら、できる限り浴室乾燥機を設置することをおすすめします。
自宅の場合、旅館などのように大きな窓を設置することが難しいですし、毎日の維持管理も仕事で行っている旅館ほど丁寧にできるわけではないでしょうから、浴室乾燥機でしっかり乾燥させるだけでも、カビの発生を抑え、耐用年数を伸ばすことができます。
また、木製の浴槽は、乾燥させすぎても変形したり、割れたりする原因となります。
ですから、長期間お風呂に入らない場合は、浴槽の中に水をためたバケツを置くなど、適切な湿度を保つことも大切です。
木製浴槽の補修
次に、水漏れが発生してしまった時の補修方法を紹介します。
木製浴槽の補修方法は、木の繊維を使用する方法と、米ぬかを使用する方法があります。
木の繊維を使用する方法は、隙間のできている箇所を見つけてそこに繊維を埋め込むのですが、慣れていないと自分でするのは難しいので、業者に頼むことをおすすめします。
米ぬかを使用する方法は、2升ほどの米ぬかを入れて水を一杯に入れて一晩おきます。これを数回繰り返すと、米ぬかが木の隙間を埋めてくれて、水漏れが治ります。
こちらの方法は、個人でも比較的簡単にできます。
まとめ
木製の浴槽は、木ならではの香りや温もり、リラックス効果を得ることができます。これは他の素材では決して得ることができないものですが、その分毎日の手入れも大変です。
毎日を忙しく生活している現役世代には正直、あまり向いていないです。
実際、風呂を木にしたいという相談は、比較的お金と時間に余裕がある、年配の方から受けることが多いです。
とりあえず後悔しないためには、毎日の手入れが大変ということと、価格が高い上に耐用年数が短いので、お金がかかる。ということは知っておきましょう。
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