全館空調をつけようか、いらないか、迷っている人は多いかと思います。
全館空調はやめたほうがいいよ。と言われることもありますが、全館空調には、メリットもあれば、デメリットもあります。
このページでは、全館空調のメリット、デメリット、後悔の声、満足の声、各ハウスメーカーの全館空調の特徴などを紹介します。
全館空調とは
全館空調とは、大きなエアコンからダクトを通して各部屋、廊下、脱衣所などに冷気、暖気を送り、家全体を常に快適な温度、湿度に保つことができる空調システムのことです。
全館空調を採用するためには、大きなエアコン(空調設備)を設置するだけでなく、高い気密性、断熱性の確保、適切な換気、空調設備の設置が必要となります。
全館空調のメリット
全館空調には、どのようなメリットがあるのでしょうか。全館空調のメリットを紹介します。
全館空調のメリット1:家中どこでも快適
全館空調最大のメリットは、家中どこでも快適な温度に保たれる。ということです。
各部屋だけでなく、廊下や脱衣所、トイレなども一定の温度を保つことができるのは、全館空調ならではです。
人間だけでなく、ペットにとっても快適で、暑い夏、寒い冬ペットが家の中を自由に走り回らせることができます。
全館空調のメリット2:ヒートショックを抑えられる
全館空調は、個室だけでなく脱衣所も一定の温度に保たれます。
特に高齢者のいる家庭では、浴室と脱衣所の温度差によるヒートショックのリスクを抑えることができます。
全館空調のメリット3:エアコンを常時稼働させるより電気代が安い
全館空調は、各部屋に個別のエアコンを設置して、それらを全て稼働させた時に比べれば電気代が安くなります。
ただし、人がいない時はこまめにエアコンを消すのであれば、そちらの方が安くなります。
全館空調のメリット4:吹き抜けを作りやすい
個別空調の家の場合、間取りを考える上で吹き抜けのような極端に広い空間は冷暖房効率を考えると作りづらくなります。
全館空調なら、家中の温度を一定に保つことができるので、吹き抜けなど広く空間を撮ることができ、間取りの幅が広がります。
スポンサーリンク
全館空調のデメリット
次に、全館空調のデメリットを紹介します。
全館空調のデメリット1:初期費用が高い
全館空調を採用する家は、高気密、高断熱で、ダクトの配管も用意する必要があります。
そのため、一般的な家よりも費用は高くつくというデメリットがあります。
家の広さやシステムにもよりますが、200万円程度はかかると考えておきましょう。
全館空調のデメリット2:部屋ごとの温度調節ができない
多くの全館空調は、家中一定の温度を保つことを目的にしていますから、部屋ごとの温度調節がでないというデメリットがあります。
家族によって、暑がりな人、寒がりな人がいると、温度設定で喧嘩になってしまうこともあるかもしれません。
中には、部屋ごとの温度調節ができる全館空調もありますが、価格はさらに高くなります。
全館空調のデメリット3:電気代の節約がしづらい
全館空調は、各部屋のエアコンを稼働し続けることに比べれば電気代は安くなるのですが、個別の部屋ごとにつけたり消したりすることができません。
全館空調は、24時間家中を快適な温度に保つことを前提としたシステムなので、電気代の節約がしづらい。というデメリットがあります。
全館空調のデメリット4:臭いが広がりやすい
全館空調は、各部屋がダクトでつながっているので、臭いが広がりやすいというデメリットがあります。
キッチンやトイレ、下駄箱周辺は、臭いが広がらないように空気の流れを考えた換気設備を設置することが大切です。
また、タバコを吸う場所も気をつける必要があります。
全館空調のデメリット5:故障すると家中の冷暖房が止まる
全館空調のエアコンは1台しかありませんから、それが故障すると家中の冷暖房が止まってしまうというデメリットがあります。
個別空調のように、エアコンが1台壊れたから、他の部屋に避難しよう。ということができません。
また、修理や買い替えも、通常のエアコンのように家電量販店に行って買えば良い。というわけにもいきません。
スポンサーリンク
全館空調にして失敗したと、後悔している人の声
全館空調の後悔1:ローンの支払いが大変
全館空調を導入するのに200万円以上かかってしまい、当初の予算をオーバーしてしまいました。
毎月のローン支払い額も高くなってしまい、支払いが大変です。
夏場や冬場は全館空調を止めるわけにもいかず、個別空調にしておけばよかったかな。と後悔しています。
全館空調の後悔2:電気代が高い
全館空調の快適さにあこがれて採用したのですが、どうしても電気代が高くなってしまいます。
全館空調ではない家に住んでいる友人と比べても高く、最近は、そもそも電気代が上がっているので大変です。
特に最近は、電気代の高騰により、全館空調にしたことを後悔している。という声が多くなってきています。
欧米では全館空調(セントラルヒーティング)が主流なのですが、昨今の地球環境保護の流れや、燃料費の高騰などにより、個別空調が見直されている。という流れもあります。
全館空調にして良かったと、満足している人の声
もちろん、全館空調にして良かったと、満足している人も多くいます。
家中の温度差がなくて快適
3世代で住んでいるので、両親のことも考えて、全館空調を入れました。
冬場のヒートショックの心配も必要ないですし、何よりもいつでも快適で、私も子供も両親も快適に過ごすことができており、とても満足しています。
大きな吹き抜けを作ることができて満足
吹き抜けのある家を作ることが夢で、全館空調なら空調の心配をせずに設計することができるので、全館空調を選びました。
冬場でも寒さを感じることなく、理想の吹き抜けのある家を建てることができて、とても満足しています。
スポンサーリンク
あとから全館空調にできるのか
全館空調ではない家に住んでいるけれど、あとから全館空調にしたい。という要望を時々受けることがあります。
結論から言うと、あとから全館空調にすることはできなくはありませんが、あまりおすすめできません。
全館空調を設置するためには、大型の空調設備を設置し、ダクトを通し、断熱性、気密性を高める必要があります。
正直、手間とコストを考えると、あとから全館空調にするのであれば、全部屋や廊下などにもエアコンを設置した方が良いでしょう。
全館空調、各ハウスメーカーの特徴
各メーカーの代表的な全館空調システムや、特徴を紹介します。
トヨタホーム
トヨタホームには、スマートエアーズプラスという全館空調システムがあります。
トヨタホームの全館空調は、基礎断熱をすることにより床下に外気が入り込まず、床も夏は涼しく、冬は暖かい。という環境を実現しています。
パナソニックホームズ
パナソニックホームズには、エアロハスという全館空調システムがあります。
パナソニックホームズの全館空調は、部屋ごとに温度の高め、低めの温度調整をすることができます。
また、家電メーカーのパナソニックという安心感もあります。
三井ホーム
三井ホームには、スマートブリーズという全館空調システムがあります。
一般的な全館空調システムであるスマートブリーズと、40坪以下の住宅向けにルームエアコンを活用した、スマートブリーズワンがあります。
スマートブリーズワンは、従来の全館空調と比較して、初期投資が最大40%減、電気代が約20%減となっています。
住友林業
住友林業には、エアドリームハイブリッドという全館空調システムがあります。
住友林業の全館空調は、外気が涼しいときには外気を取り入れることで、省エネであることが特徴です。
また、部屋ごとに温度設定ができるリモコンを設置することもできます。
全館空調のメリット、デメリットを知って、後悔のない家づくりができると良いですね。
スポンサーリンク

不動産業界に携わり、マイホームの建設、実家のリフォームなどを経験しています。
これからマイホームを作ろうと考えている人、リフォームをしようと考えている人、移住やライフスタイルの悩みや迷いを解決することができるような情報を発信します。